毛周期(ヘアサイクル)
ここで毛周期の説明をしましょう。
髪は、伸びては、抜けて、生え替わり、また次の新しい髪が伸びてくることを、周期的に繰り返しています。このことを毛周期(ヘアサイクル)といいます。
成長期に髪が伸びて太くて長い毛に育ちます。つぎの退行期で毛根の成長が止まり、毛根が短くなります。その後の休止期に毛根が活動をお休みします。そして替毛期のあとに、また成長期が始まり、次の世代の髪が新しく成長してきます。
成長期は、男性では約3~5年間、女性では約4~7年間です。女性のほうが男性よりも少し長めです。退行期の長さは約2~3週間で、休止期の長さは約3~4ケ月間です。替毛期は数ケ月間で、その後、また成長期が始まり、新しい髪が伸びてきます。髪はこのサイクルを生涯繰り返しています。
通常は、頭髪全体の約90%が成長期と退行期の状態で、残りの約10%が休止期と替毛期の状態です。
男性型脱毛症では成長期が短くなる
男性型脱毛症はAndrogenetic Alopecia (AGA)といいます。
男性型脱毛症になると、成長期の長さが短くなりますが、退行期や休止期、替毛期の長さは、あまり変わりません。ですから、男性型脱毛症が始まると、成長期に髪が育つ時間が足りなくて長さが短くて細い髪の状態で成長が止まります。その結果、成長期の髪の割合が減少して、相対的に休止期の毛が多くなります。そして、太い髪の数が減って、細くて短い髪が増えたように見えます。頭皮を隠す直径が太い髪が足りないので、髪のすき間から地肌が透けて見えやすくなり、薄毛の状態になるのです。これが男性型脱毛症(AGA)です。
人間は哺乳類の動物と同じで、手のひらや足の裏をのぞき、体中にうぶ毛や軟毛が生えています。その総数は生涯変わりません。頭髪の総数も生涯変わりません。ただ、目に見える太くて長い髪が減って、目で見えにくいうぶ毛が増えると、髪が減ったように見えます。これが男性型脱毛症の状態です。男性型脱毛症になった頭皮を顕微鏡でみると、うぶ毛はちゃんと残っています。つまり、毛が抜けたわけではなく、うぶ毛に変わっただけなのです。男性型脱毛症では、髪の総数は以前と変わっていません。
ミノキシジルの効果で、短くなった成長期が長くなるので、以前よりも太くて長い髪が増えて、髪が濃く見えるのです。