高用量のミノキシジル錠の減量法
ミノキシジル錠では、もう一つ困難な問題があります。それは、これまで高用量のミノキシジル錠を内服してきた方です。
安全のためには、できるだけ早く、内服量を減らすことが必要ですが、長年の間5mgあるいは10mgのミノキシジル錠を内服してきた方は、急にはミノキシジル錠をやめにくいものです。
ミノキシジル錠の高用量の内服は、効果が強いので、急に中止すると、薬の効果が消えて本来の姿にもどります。数週間~数ケ月以内にどっと抜け毛の量が増えて、広範囲の薄毛の姿に変わるので、パニックになります。それに耐えてミノキシジル錠の中止を貫くには、強い精神力が必要です。多くの方々は、抜け毛の量の多さに驚き、薄毛の状態に耐えられず、ミノキシジル錠の内服を再開してしまいます。
もともとミノキシジルがあまり効いていない方では、内服を止めても髪の濃さは変わらないので、容易に中止できます。しかし、ミノキシジルがよく効いている方は、急にはミノキシジルを中止しにくいものです。
その場合は、少しずつ減量する方法がおすすめです。
5mgあるいは10mgのミノキシジル錠を、まず半量に減らします。さらに数ケ月ごとにゆっくり減らしながら、1日の量を2.5mgまで減量します。途中で抜け毛の量が増えたり、薄毛が気になったら、ときどき1段階前の量にもどしたり、あるいは一日おきに交互に増減して調整しても結構です。こうして、時間をかけてゆっくり体を慣らしていくと、いずれ減量できるでしょう。
最終的に、1日の量が1mg~2.5mgまで減量できたら、とりあえず一安心です。そこから先は医師と相談して、量を調整してください。
ミノキシジル
ミノキシジル錠の副作用をご覧になって、よく覚えてください。多くが心臓に関する病気です。ほかに、呼吸器や腎臓にも良くない影響がでる可能性もあります。
ミノキシジル錠の副作用の中で、わりとよく見られるのは、動悸、頭痛、全身のむくみ、などの症状です。多くの場合、患者さんは自分でこわくなって内服を中止し、AGAクリニックに通院しなくなるので、処方した医師は、自分の処方で副作用が出たことを知らない場合が多いです。AGAクリニックの医師に副作用がでたことを相談しても、患者さんの特異体質のせいにされてしまう場合も多いようです。患者さんの体のことを、本当に心配してくれるAGAクリニックが少ないのは残念なことです。
まして、ミノキシジルの錠剤をネットで買って、自己判断で内服することは、とても危険です。
どうしてもミノキシジル錠を内服したい場合は、循環器の専門医とよく相談して、定期的な心臓の検査を受けながら、自己責任で慎重に内服してください。
今回は、育毛剤のミノキシジル錠のお話をしました。
このページの情報が、皆様の参考になれば、幸せです。
(文責 柳生)