牽引性脱毛症
人の髪が生涯で生えかわる回数は、ほぼ決まっています。
長年にわたって同じ範囲の髪を引っ張って、毛を抜き続けると、やがて、その部分の髪が生えてこなくなります。このことを、牽引性脱毛といいます。
毛周期によって髪が自然に生え替わる時期がくる前に、まだ抜けない時期の髪を抜き続けると、やがて、太い髪が生えなくなるのです。うぶ毛のような、細くて短い髪しか生えなくなると、薄毛に見えます。
たとえば、ポニーテールの髪型で、生え際の髪を引っ張りすぎると、生え際の髪が繰り返し抜けるので、やがて生え際の髪が生えてこなくなります。その結果、生え際が後退します。
この牽引性脱毛は、黒人の少女で見られることが多く、アメリカで問題になっています。黒人は縮毛ですが、少女が髪を長く伸ばしたくて、後ろで束ねたポニーテールの髪型にして、髪を強く引っ張ります。この髪型を長年続けていると、生え際の髪が繰り返し抜けて、やがて、生えてこなくなります。こうして、おでこの生え際や、横の生え際の髪が後退します。
ポニーテールの髪型にする場合は、髪を強く引っ張らないで、ゆるく束ねるだけにしてください。
ちなみに、牽引性脱毛は、自毛植毛で治療できますので、ご安心ください。
お相撲取りの方々の間でも、牽引性脱毛は、問題になっているそうです。大銀杏の髪型は、髪に油をつけて、強く引っ張るので、生え際の抜け毛が多いそうです。お相撲さんは、マゲが結えなくなると、引退しなければならないという規則があるので、生え際の髪の抜け毛は深刻です。髪結いさんが、強く引っ張ると大変です。
薄毛を気にし始めたお相撲さんは、「お願いだから、髪を強く引っ張らないでくれ」と叫ぶという話を聞いたことがあります。牽引性脱毛は、ご本人にとっては、職業がかかわる、死活問題です。
まとめ
今日のまとめです。
つむじと毛流には関連があります。
頭髪の毛流をうまく利用して、分け目や髪型を工夫すると、密度やボリューム感を、効果的に楽しめるでしょう。