SRD5A2遺伝子の解析
SRD5A2遺伝子多型を解析すれば、5α-還元酵素の阻害剤を用いて、アンドロゲンを減少させることにより、薄毛を治療する治療法の有効性を、前もって予測できる可能性があります。
遺伝子を解析すれば、いろいろな薬剤による、薄毛治療の効果に関する個人差が、前もってわかるようになるかもしれません。
たとえば、フィナステリドやデュタステリドを用いた薄毛治療の効果に関して、育毛剤に対する反応が良い人（レスポンダー）と、反応が悪い人（ノン・レスポンダー）を、薄毛治療を始める前に、遺伝子解析によって、識別することができるようになるかも知れません。
将来は、遺伝子解析法を使って、男性型脱毛症の治療に関して、より効果の高い育毛剤を、それぞれの患者さん別に、選択できるようになる可能性があります。
アロマターゼ（チトクロムP450酵素）
アロマターゼ（チトクロムP450酵素)は、テストステロンから、エストロゲン（エストラジオールやエストロン）への変換を促進します。
そうなると、テストステロンからDHTへの変換が、相対的に減少します。
つまり、アロマターゼには、アンドロゲン代謝の中で、毛包を保護し、薄毛を予防する効果があります。
アロマターゼ阻害薬
アロマターゼ阻害剤でアロマターゼの活性が低下すると、テストステロンからエストロゲンへの変換が減少します。
その結果、テストステロンをDHTに変換する経路が作用するので、毛包のDHTの量が相対的に増加します。
こうして、アロマターゼ阻害剤で治療されている乳癌の女性では、頭髪が薄くなる可能性があるのです。
