男性型脱毛症の遺伝子解析
PGD2 とCRTH2
プロスタグランジンD2(PGD2)は、毛包に存在する受容体(CRTH2)に結合します。
PGD2受容体複合体は、幹細胞の成熟を阻害することが報告されていて、その結果、毛包の細毛化や脱毛症が、誘導されます
CRTH2遺伝子は、PGD2の受容体をコードします。CRTH2 は PGD2 によって活性化されます。
CRTH2は、Th2-T細胞・好酸球・好塩基球などに発現して、走化性・急性炎症性サイトカインの産生・ヒスタミンの放出・および慢性アレルギー性炎症反応、などの役割を、になっています。
男性型脱毛症の遺伝子解析
PGE2
PGD、PGFやPGEは、PG受容体(CRTH2とPTGFR)および、調節因子(PTGES2やSULT1A1)と、相互に作用して関わりあっています。
これらの相互作用は、脱毛症に影響を与えていると、報告されています。
男性型脱毛症の遺伝子解析
PTGFR 遺伝子と PGF2アルファ (ラタノプロスト)
PTGFR(プロスタノイドFP受容体)は、PGF2αの受容体の活性を仲介する遺伝子です。プロスタノイドFP受容体は、ヒトの毛乳頭細胞に発現しています。
プロスタグランジンF2α(PGF2α)は、緑内障の治療に使われている、医薬品です。
ラタノプロストは、PGF2αの類似体の1つであり、医学の臨床では、緑内障の治療でも、一般的に使用されています。
PGF2αの最もよく知られている副作用の1つは、まつげが濃く長くなることです。
ミノキシジルでも、まつげが長く濃くなることがあります。