プロゲステロン・シグナル伝達経路
プロゲステロン受容体-DNA結合
プロゲステロン受容体は、将来、男性型脱毛症や、ある種の内分泌ホルモン依存性の癌に関する、治療標的の1つになる可能性があります。
細胞質や細胞膜における、プロゲステロン受容体の亜集団は、遺伝子転写が関与しない形で、特定のシグナル伝達経路の、迅速なプロゲステロン誘導活性化を、媒介することができます。
プロゲステロン受容体が、形質転換されると、ステロイド結合タンパク質は、解離します。解離した受容体は、高い親和性でDNAに結合します。
このようにして、プロゲステロン受容体は、DNA結合状態に、形質転換されます。
男性と女性の頭髪の薄毛の症状
毛包の中に含まれているアロマターゼの量は、男性よりも女性のほうが、はるかに多いです。
このことは、脱毛症が、男性に比べて、女性で頻度が低い理由の1つかもしれません。
男性のAGAの典型的なパターンは、前頭部の生え際の後退と、頭頂部の脱毛症です。脱毛の領域では、太い髪がなくなり、どの髪も、細いうぶ毛になっています。
それに比べて、女性のAGAの代表的な症状は、頭髪の密度の低下と、脱毛領域の中に太い毛が散在して残っていることです。その結果、頭髪が透けて、地肌が見えてくる形の薄毛になります。
薄毛領域の中に太い毛が残っていない形の脱毛症は、女性のAGAでは、めったに見られません。
女性の脱毛症
女性のAGAにおける薄毛は、通常、頭皮の中央部から始まります。前頭部の生え際の髪の濃さは、女性のAGAの初期から中期では、普通の濃さのままで残っています。この生え際の髪が消えるのは、脱毛が高度に進行した段階です。
女性では、前頭部の毛包に含まれているアロマターゼの量は、男性の6倍あります。女性の後頭部の毛包に含まれているアロマターゼの量は、男性の4倍であると報告されています。
このように、女性の前頭部の生え際の頭髪の毛包には、アロマターゼが多量に含まれています。
女性のAGAでは、前頭部の生え際の髪が薄毛にならずに、太いまま残っていることが特徴ですが、その理由は、このアロマターゼかも知れません。