男性型脱毛症(AGA)の基礎的研究 (第3部)
遺伝子解析、他の話題
男性型脱毛症(AGA)は、男性だけでなく、女性でも、最も頻度の多い脱毛症の原因です。
最近の基礎医学の研究の進歩により、男性と女性のAGAの遺伝的要素が、明らかになってきました。
この章では、男性型脱毛症（AGA）(パターン脱毛)の基礎的研究 (1)、(2)でお話しした内容以外のテーマで、遺伝子解析と、そのほかの話題に関して、最近の研究成果をお話ししてみましょう。
読者の皆様が、この章で、AGAに関する基礎的研究の、最新の知識を得られるように、解説してみたいと思います。
なお、AGAの本来の意味は、アンドロゲン（男性ホルモン）が原因でおこる脱毛症という意味です。AGAの日本語の訳は、男性型脱毛症という言葉になりますが、これをそのまま女性のAGAに訳すと、女性の男性型脱毛症となり、何のことか意味不明な違和感があります。
この章では、女性型脱毛症(FAGA)を、女性のAGAと表現することに致します。
薄毛の遺伝子解析
毛髪研究の最近の進歩：はじめに
最近の研究で、育毛剤への反応性や治療効果に個人差があるのは、遺伝的要素の影響が大きいことが、わかってきました。
遺伝子解析の進歩により、いずれは、個人別に、将来薄毛になりやすい体質かどうか、分かるようになるでしょう。
さらに、育毛剤の治療を始める前に、どの薬がその人に効くのか、個人個人で、あらかじめ、良く効く薬を選べるようになるでしょう。
近い将来、遺伝子解析により、個人の体質に合わせて、薄毛治療のメニューを選ぶことが可能になるかもしれません。
脱毛症の遺伝子解析
ゲノム薬理学的研究への道
mRNAの構造変化を解析することにより、DNA変異の遺伝的変異を研究することができます。
薬理ゲノム解析では、脱毛症の遺伝的素因の、個人差に関する情報が得られます。
